6月議会終了後の市政報告会を行いました。今回は「何故公明党は3党合意に参加したのか」をテーマに話をさせていただきました。今国会では消費税の増税を柱とした税と社会保障の一体改革関連法案の審議が行われています。我々公明党は単なる消費税の増税には反対を唱えていました。民主党が政権公約を破って一方的に消費税を上げることは許されなかったし、社会保障制度と一体で行うと言っていながらも、実現不可能な最低保障年金等を唱えた新しい年金法案や、すでに定着している後期高齢者医療保険制度の廃止法案を掲げて、尚且つこれら法案の中味さえもはっきりと提示しなかった(というよりできなかった)からです。世界最大の債務大国となり、人口減少・少子高齢化社会の中で、将来の社会保障制度が破綻しないよう財政構造を変革しなければならないことは熟知しながらも、年金・医療・介護にまつわる明確な社会保障制度の具体案と合わせて、増税によって景気が減退するのを阻止するために、デフレ脱却のための経済政策をセットで行わなければ到底増税先行は許されるべきではないという立場を貫いていました。
しかしここで3党合意に踏み切ったのは、我々公明党が2大政党の民主、自民党の間に入って、先に述べた社会保障の具体案(全てではありませんが)と、景気対策、そして消費税増税によって大きな負担を強いられることになる低所得者の方々への対策の3つが盛り込まれたからです。特に社会保障制度については、公明党として取り下げを求めていた新年金案と後期高齢者医療保険制度の廃止法案については、改めて3党合意に向けて協議するという明文が示され、一方的な与党民主党の案は成立できず、事実上の撤回に繋がりました。これらのことについて、本日は支援者の皆様に説明し、ご理解を頂くよう質疑応答をさせていただきました。今回も大変お忙しい中、会場には多くの支援者の方々が足を運んで下さいました。本当に有難うございました。
≪公明党が3党合意に参加した理由≫
@社会保障の明確なビジョンと具体案を示すこと
A消費税増税と合わせ、景気対策をセットで行なうこと
B低所得者に対する対策を講じること
そして勝ち取った成果は
@(1).民主党の年金案と後期高齢者医療制度の廃止を事実上撤回させた
(2)..これまで主張していた年金の受給資格期間を25年から10年に引き下げ、厚生年金と共済年金を一元化
(3).年金の国庫負担1/2への引き上げ及び恒久財源化
(4).年金,医療,介護について、社会保障制度改革国民会議を開いて議論し、消費増税前までに成案と結論を 出す
A景気対策として、デフレ脱却のために、防災・減災の分野に集中的に投資し、予算を配分する
B軽減税率の導入及び低所得者に対する福祉的給付を実施する
衆議院で408議席の絶対多数を持つ民主党と民党が協議を開始した中、公明党として反対を貫くことは1つの選択肢としてあったのでしょうが、それでは全くの無責任であり、これまで消費税増税に当たって条件を主張していた経緯が置き去りになってしまうことは絶対に避けなければなりませんでした。
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