地方分権改革について

政府の地方分権改革推進委員会による国から地方への権限委譲と国の出先機関の改革が行われています。

しかし今年3月に発表された国の出先機関の統廃合に向けての工程表は、当初の意気込みとは裏腹に骨抜きと言われるような期待外れのものでありました。まさに官僚と族議員による猛反発がありました。どうして一向に地方分権が進まないのか。それは官僚には、変えないという慣性の法則があり、法律を変えない限り動かない、という体質を持っているからということです。中央官僚は国家公務員と地方公務員とでは木の育ち方が違う、例えば国の公園の木と県の公園の木とでは育ち方が違うという(国も地方も発注先は同じなのです。)、地方を下に見る体質があるということです。分権委は行政のスリム化を目指し、地方に権限を委譲するため、昨年12月の第2次勧告で地方整備局や地方農政局等の6組織を地方振興局と地方工務局に統廃合するという目標を掲げ、将来的に35,000人の国家公務員を削減し、その内23,000人を自治体に移すという案を打ち出しましたが、残念ながらこの計画は官僚の抵抗の前に風前のともし灯です。

 しかし問題となっている国と地方の2重行政の現実はこのまま放置していいものでしょうか。各県や市町村の行政で行える仕事ををわざわざ国が行なっている無駄があります。例えば身近な例でいうと、立川の多摩川緑地の土地使用の制約などはいい例です。現在多摩川の河川敷地域は国交省である地方整備局、つまり国の所管であり、地元の立川市に使用権限がありません。何かを整備しようとすると国の許可を得なければならないという制約があります。このような地元の土地は当然に地元の市町村に権限を移すべきです。地域の実情は身近な地域の市町村が最も良くわかっているのですから、当然に地元市町村の管轄に戻すというのが本来のあるべき姿のはずです。

 また国交省の地方整備局と都道府県の行政との間で道路の維持管理費を比べると、県の維持管理費は国の1/10で済むと言われています。これは何故かと言うと、国の出先機関はほとんど天下り先の社団法人(建設弘済会等)に随意契約で発注をしているということです。これ程の税金の無駄遣いはないのではないでしょうか。このような官僚の既得権益を打ち破るには強い政治力で突破するしかありません。元々地方分権改革推進委員会は官僚が従わない場合には、首相や大臣による政治主導により官僚をねじ伏せることに期待をかけていました。しかし結局は人員削減と自治体への業務移管について目標数値は明記されず、09年度中の改革大綱に先送りされました。

 元々税金は地方住民から納められる以上、直接地方に入り、地方が独自に使えるものでなければならないはずです。地方と国の仕事の割合は6対4と言われています。であるにもかかわらず現在の財源の割合は4対6となっています。地方分権が確立され、自治体が自立した地方政府になるためには言うまでもなく十分な税源移譲が必要です。政治は霞が関のためにあるのではなく、それぞれの自治体に住む1人1人の住民のためにあります。地方にできることは地方に任せる、国には国にしかできないことしかやらせない。自治体が独自の裁量権を持つ真の地方自治が確立されれば、国の無駄も抜本的に減らすことができます。そして私が何よりも言いたいのは、自治体はもっと国に対して我々に権限をよこせ!と主張すべきだということです。行政との話の中でいつも思うのは、例えば現在市が行なっている現庁舎周辺地域のグランドデザイン策定事業でいえば、取扱いが問題となっている周辺国有地は、関東理財局という国(財務省)の出先機関の管轄ですが、国が権限を持ち続けているために、地元としても空き地となっている財務省用地に対し何も手をつけることができない状況でいます。そしてそれを市が使用するとなると莫大な購入予算と利用計画が必要となる現状です。しかしこんな権限をわざわざ国に残しておく必要があるのでしょうか。地方に権限を譲らず国の権限を笠に着ている土地が全国にどれだけあるのでしょうか。そんな非効率な動かない土地を管理する仕事に対して出先機関で何人もの役人を抱えていることこそ無駄なことはないと思います。このような国有地の利用権限を地元の立川市に移せば、市が独自に使用・収益することができ、新事業が進むと同時に市民サービスも格段に向上します。そして何よりも二重行政と言われている無駄な国の出先機関も減らせ、膨れ上がった国家公務員の削減も実現します。このように今回の地方分権改革論議で取り上げられた国の出先機関の廃止と地方への権限委譲の問題は、まさに地元自治体の現場に明るみになっていると言えます。先述の通り、地方分権改革が論議されているこの時期に地方自治体もはっきりと声を上げていくとともに、我々議会も強く行政に働きかけていきたいと思います。

また同じように国直轄事業にも大変無駄が多いと思います。税財源を地方に移し、自らの判断で事業を行えば、必要なコストの調達だけで済み無駄は大いに削減されます。地方分権改革は国から地方への権限と財源の移譲が大きなテーマです。

冒頭に丹羽委員長が言っていた言葉が最後まで印象的でした。「地方分権は今ここでできなければ一生できない。」
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