○○会社

平成24年 第1回厚生産業委員会報告

市内で相次ぎ発生した孤立死の問題について

 市内で2つの孤立死の事件が相次ぎました。
 最初の事件は2月13日に発見された母子死亡事件です。母子家庭の母親がクモ膜下出血で死亡し、残された4歳の障害児が置き去りにされ衰弱死した事件です。そしてその火も冷めやらぬうちに、同じ羽衣町の都営団地で90歳の母親と、介護していた63歳の娘さんの2人世帯で、娘さんが先に亡くなり、放置された母親も亡くなったという事件です。
 2つの事件に共通しているのは、行政の対応が遅れたということです。母子死亡事件では、死亡した時期は発見より1〜2か月前と言われているものの、障害児のおむつ配達サービス業者からの連絡が入り、5日後に職員が訪ねましたが、ポストに沢山新聞が溜まっていたことに異変を察知できず、発見が遅れたということです。その後何度か関連する行政機関に連絡は取ったものの、連絡はつかず、最終的にはガスが使われていないことを不審に思ったガス会社から通報が発端で見つかりました。いち早く発見に踏み切れなかったのは、個人情報の保護が大きな壁になったことも要因です。また高齢者世帯の場合は、市がJKK(東京都住宅供給公社)からの連絡を受けながら、管理者であるJKKに遠慮し、発見に踏み切らなかったことです。何れもマスコミに大きく取り上げられ、行政の在り方が問題視されました。

 我々公明党市議団は母子死亡事件発覚後、行政に対し以下の様な「緊急提言」を提出し、即時対応するよう強く要請しました。
公明党立川市議団 緊急申し入れ 平成24年2月24日
1.市職員(ケースワーカー)の職務日誌記載と定期的な上司への報告を義務付けること
2.情報の共有化を図る体制を確立すること
3.地域内の見守り体制を強化すること
4.子育て中の母親に対する支援を拡充すること
5.再発防止策を全庁挙げて検討し、実施すること

 事件後のマスコミの取材に対し、市は今後進められていく検証作業と対策については、全て3月8日に行われる市議会厚生産業委員会に報告すると発表しました。当日厚生産業委員会には、NHKの他他マイテレビ等のTV局と新聞各社が取材に来ました。現在私は委員長を務めており、冒頭のみのTVカメラの撮影を許可しました。その後関連する部署から、事件後今日に至るまでの検証と、今後の対策についての報告がありました。そして委員である7人の議員からは多くの質疑があり、今後取るべき対策や行政の仕組みの改善すべき事項について、積極的且つ厳しい指摘や発言が続きました。発言の主なものは以下の通りです。

  • 市の福祉給付申請を受けるときのサポート体制はどうなっているのか
  • ライフライン(電気・ガス・水道)との連携をもっと深めるべきではないか
  • おむつの配達=不在の段階で発見できなかったのか
  • 子どもの愛の手帳が3度から2度に変更(重く)された時にサポートを厚く配慮すべきではなかったか
  • おかしいと思った時に一歩踏み込む職員の資質を磨くべきではないか
  • 母親から「精一杯やっているのに、〜して下さいとか〜した方がよいと言われることがストレスで辛い」というSOSがあった時の行政の対応はどうだったのか
  • ひとり親で障害児を持ちながら保育園に預け、就労し、育児を両立させるのは難しい。何らかの救援機関が必要ではないか

 亡くなった母親は事件が起きる2年前から行政との接触があり、積極的に市の福祉サービスを受けるべく、行政の窓口を何度も訪れていました。ファミリーサポートやひとり親家庭医療証の受給、緊急一時預かり保育の利用やドリーム学園の外来母子通園事業の利用(計9回)、そして保育園の入園手続き(その後辞退)、3歳児健診や療育医療病院の紹介依頼と通院、重度心身障害者手当の受給申請や発見時のおむつ配達サービス等これらの窓口である子育て推進課、保育課、健康推進課、障害福祉課の4つの部署が母子と関わっていました。市から提出された中間報告では、所課毎に最初に母子と関わった日からの経過と現状の課題・対策について細かく明記されています。そして対策の柱は以下の通りとなっています。

【直ちに行なった対策】
  1. 母子で同じ障害児を持つ家庭で、現在行政サービスに繋がっていない家庭への対応を行い、該当する1世帯に早速に連絡を取った。
  2. 障害福祉課の窓口等において、ひとり親家庭の場合には、所定の様式に本人以外の緊急連絡先を複数記入していただく。

【直ちに行なうべき対策】
  1. ひとり親家庭や障害児を抱える家庭に対し、窓口等の様々な場面において、現状の聞き取りや各部署間での情報の共有化、万一の場合対処等一歩踏み込んだ対応を進める
尚、今後この2つの事例を含め、昨年の高松町と今年1月に同じ羽衣町の別な都営団地で起きた2つの虐待死事件への検証と対策について、特定事件とし、議会閉会中の継続審査として適時に厚生産業委員会を開き、行政からの報告と審議が行えるよう決定しました。

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平成24年 予算特別委員会報告

平成24年 予算特別委員会において下記の通りの質疑を行ないました。

1日目 −各款共通及び歳入全般

@行政評価について
 評価の視点として、「行政が行う事業ではなく、民間に任せられるものは任せていく」という基準が」あ るが、市民の側からすると行政が行うものは安心であるというメリットがあり、コストと成果だけにこだ わっていると市民のニーズを切り捨ててしまう危険がある。市民からの目で、市民がどれだけ喜んで その事業を利用しているかという「市民満足度」という評価基準を設けるべきではないか。

A人口減少問題
 立川市は平成30年から人口減少に向かい、その人口減少に沿った持続可能なまちづくり計画を進  めていくということであるが、どうしても素直には受け止められない。本市は今でも多くの若い子育て  世代が移住してくる。保育園の待機児童解消等子育て支援の充実も、介護予防や健康づくりの推進 も 、進む先は子どもが増え、高齢者が長生きするための施策であり、最終的には人口増加に繋がっ ていくものである。今後の本市の姿勢はむしろ人口増加策を進めていくことではないか。


2日目 −総務費−

@地域自治のしくみづくり
@.自治会への加入率が低下し、活動の負担が増す中で、一方で市民活動団体は増えている。行政   として自治会と市民活動団体を繋げる手法は何と考えるか。
 【回答】まず協議の場を作ることを考えていく。
A.自治会に拡大を強いるのではなく、今のままで負担をかけずに協力者を増やす対策や、市民活動   団体に自治会活動の一部を担ってもらうような対策を推進すべきではないか。市民活動団体を地域  のコミュニティー活動にいかに生かしていくかという視点が必要である。

A自治会への支援
 自治会役員の担い手がいないという問題があるが、そろそろ自治会の負担軽減に行政が手を貸すべ き時期が来ているのではないか。地域担当課を設け、担当職員が日々地域の現場に入り、情報を伝 達したり、地域の課題の相談に乗ったりするような仕事をしていくことも必要ではないか。

B旧庁舎周辺地域まちづくり
@.旧庁舎周辺国有地全体の整備計画の進捗状況と、共済病院の建替え計画はどうなっているのか。
A.新病棟は現在の簡易裁判所と合同庁舎跡地に新設される予定であるが、それによって西国立駅に  近い東側の南・東病棟が西側の中央寄りに移転し、跡地が民間に売却される計画であるがそれに  変わりはないか。【回答】変わりはない。
B.南口からの旧庁舎跡地の玄関となる位置にある民間金融機関の建物が除却された。この土地は旧  庁舎跡の第二庁舎と隣接しており、まちづくりを拡大させる絶好の機会であり、市として土地の購入  を考えるべきではないか。

3日目 −民生費−

@障がい者グループホームについて
 今後障がい者グループホームは増やしていかなければならないが、建設したくても資金不足に悩む  事業者に対し、市としての補助金を検討すべきではないか。

A旧庁舎跡地への子育て支援拠点の整備
 子ども家庭支援センターに専任の課長職(センター長)を置くことになるが、具体的にどういう権限が  与えられるか。
 【回答】児童虐待通告時に児童相談所へ繋ぐ場合や、緊急一時預かり保育に送る場合等の権限が  付与され、これまでよりも対応が迅速化される。

B待機児童の解消
@.育休後に預けられず、復職できない母親は何人いるのか。
 【回答】数人出る。しかし第1希望でなければ(第2〜第3希望には)大体収まっている。
A.入園予約制度がスタートしたが、0歳枠が3倍の競争率になっている。政策的に0歳児枠を増やす   べきでは。

C生活保護
 生活保護受給者の内、現役世代(59歳まで)が36%おり、又母子家庭の未就労者は59%もの比  率となっている。健康状態もあると思うが、未就労者を対象に、はっきりと就労を促す施策を行なって いくべきである。

4日目 −衛生費−

@喫煙対策
@.依然として歩行喫煙が後を絶たない。従来から言っている街宣カーでの呼びかけや、青色パトロー   ルでのアナウンステープを流し、市民に徹底周知すべきではないか。
A.朝の通学路で平気で吸う人もいる。防災行政無線を使っての市内全域同時アナウンスも考えるべき  ではないか。

−土木費−

@コミュニティーバス運行について
 柴崎町へのくるりんバス新路線の提案をしているが、利用者のほとんどは立川駅周辺へのアクセス が中心である。駅中心のルートであれば、鉄道利用と関連し、バスを1台購入するための国の包括補 助(交付金)を受けられる事業枠があるのではないか。
 
5日目 −消防費−

@防災ハンドブックが作成される予定だが、どういう内容構成を考えているか。今までになかったもの  ができることで市民の関心も高い。初期動作とご近所での助け合いのところを強調してほしい。何を  中心に市民に伝えていくのか。

−教育費−

@現在簡裁跡地にある教育センターが錦学習館に移転予定である。十分に教員が研鑽し合えるスペ ースが確保できるのか。
 【回答】現在も延べ450回以上の研修を行っており、それが十分維持拡大できるようなシステムを整  備していく。


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平成23年 予算特別委員会報告


平成23年 予算特別委員会において下記の通りの質疑を行ないました。

1日目 −各款共通及び歳入全般

@JRA場外からの寄付金について
 周辺商店街の環境整備にもっと充てるべき。又寄付金を充てた事業については、そのことが市民にわかるような表示を明示して告知すべき。


2日目 −総務費−

@あいさつ運動の徹底
 庁内組織活性化事業の実践に伴い、庁内あいさつ運動を徹底して、意識啓発に取り組むべき。

A連絡所の機能強化
 連絡所には、証明書発行だけではなく、転入・転出等各種の届出や国保,高額療養費の申請等の業務取扱ができるよう機能強化すべき。

B自治会の活性化と加入促進
@..自治会への加入促進は、行政が直接市民に呼び掛ける啓発運動必要。駅街頭でのキャンペーン運動や、広報での特集号発行等を行なうべきではないか。
A.地域の役員や活動家が、自治会加入のメリットを簡単にアピールできる、誘いやすいしくみを考えるべき。

3日目 −民生費−

@子ども家庭支援センターの権限強化
 子ども家庭支援センターでは、虐待の他、育児不安、しつけ、発達相談等が増え、役割が大変高まっている。センター機能を独立させ、課長職を置き、権限を強化すべきではないか。

A一時預かり特定保育の拡充
 市は民間保育園の建て替えによる定員増や新園の設置等に応じて一時預かり保育も増やしているが、まだ 足りない状況。保育園待機児童の70〜80%がパートタイムで働く母親か求職者である。定期利用保育や小規模保育室等の事例を研究し、更なる拡充を行なっていくべき。

B市民農園
 土地所有者の事情により2園が廃止された。多くの利用者がおり、このまま縮小するべきではない。河川敷の法定外公共財産や民間所有の土地を活用して事業拡大に取り組むべき。

−衛生費−

@斎場の祭壇について
 開業以来祭壇に花が飾れないという規則が続いている。市民葬はなるべく質素にという考えはわかるが、時代の流れと共に利用者の希望に応じて運営を変更しても良いのではないか。

4日目 −土木費−

@南武線の快速運転開始
 南武線に快速が導入されたことについて市に打診はあったのか。 <答弁>なかった。
 快速の導入といっても、前の電車を抜かすことは出来ずに川崎まで5分短縮するだけである。広域公共交通に絡む問題なのであるから、立川→登戸間の通過駅を増やすこと等をJRに要望することはできなかったのか。
 
5日目 −教育費−

@学校トイレの改修
 学校のトイレが臭く、子どもが利用し辛いという保護者の声が多い。臭いの原因は何なのか。
 調査を急ぎ、順次予算を付けて改修していくべきでは。
 <答弁>配管に付着した尿石等による複合的要因。各学校で高圧洗浄や尿石の溶解に取り組んでいる。小規模改修は順次、大規模なものは公共施設保全計画によって行なっていく。

A体育指導員の拡充
 体育指導員のほとんどが地区体育会のメンバーであり、地域行事にとられ、スポーツクラブの開設等や専門指導員としての働きができない。登録制度を導入して、元スポーツ選手や国体選手等独自の人材を集めてみてはどうか。


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平成22年 決算特別委員会報告


平成22年 決算特別委員会において下記の通りの質疑を行ないました。

1日目 −各款共通及び歳入全般

@一般財源枠配分方式について
各部署から十分市民ニーズが汲み取られ、予算に反映されているか。
財務当局による査定ではなくて、現場のニーズを把握している担当部局の意向が十分生かされた所要額が設定されているかどうか。
A地域住宅交付金について
地域住宅交付金をもっと活用して、市営住宅に使うばかりではなく、総事業費の45%が支給されるという特徴を生かして、従前から主張している民間賃貸住宅のストックや空き家を活用した定期借り上げ型公営住宅の創設を進めるべき。


2日目 −総務費−

@目標管理制度について
目標達成度に応じた業績評価をする中で、結果的に市民サービスの向上に結びつくようどう改善してきたか。
職員の行動が市民サービスの向上に繋がっていることがわかるような指標を設けるべきではないか。

A旧庁舎跡地施設活用と周辺グランドデザイン策定事業について
旧庁舎跡地施設活用市民検討会議が開かれている中で、並行して行なわれた周辺地域グランドデザインの有識者会議で出されたアミューたちかわ・第二庁舎・広場の一体的活用及び第1・第2ステージの提案が、頭ごなしに一方的に下りて来たような違和感を持って受け取られている。このことについてもっと理解を求めるよう周知すべきではないか。

B放置自転車対策
@.有料化にともない、違法駐輪の徹底取り締まりを行なうこと
A.付近の民間駐輪場の活用をもっと促すこと

C立川駅周辺安全安心まちづくり協議会
@.近隣住民や商業者の不安や要望を聞く意見交換会を開くこと
A.つきまとい迷惑行為や違法営業の撲滅にもっと比重を移し、警察との連携を更に強化すること。

3日目 −民生費−

@障害者グループホーム運営
障害者グループホームに入所できない人たちの家族の不安や負担の実態をもっと掴んでほしい。

A障害者就労支援
庁内職場実習等の取組みをもっと拡げ、中学校区等の身近な区域で最低一か所の就労支援作業所の創設を目指して欲しい。

B地域包括支援センター
小地域ケア会議を通じ、介護サービスが行き届いていない方々等地域の高齢者の実態を十分汲み取る努力をすること。

C市民農園
水道敷設後の利用実態と市民の声はどうであるか。

D高齢者リフレッシュ支援旅行補助事業
夫婦の片方が65歳以下でも対象となるような使いやすい制度に改善し、継続させるべき。

E病児保育の拡充
利用者増加の実態に応じ、南部地域への開設を急ぐべき。

F一時預かり保育の拡充について
@拡充を急ぐべき。
<答弁>
本年1か所増。来年度羽衣分園で開設。更に私立保育園2園の建替えで2か所の開設予定。(合計4か所増)

G児童館の運営
@.中高生のクラブ活動に所属していない(居場所がない)子どもたち等への十分な開放を。
A.中高生運営協議会の実について

H家庭福祉員(保育ママ)の拡充について
@.最初から家庭福祉員を希望している人の理由について
A.1人で3人までの保育ができるが、実際には欠員が多い。充足させるための施策はないか。

−衛生費−

@歩行喫煙禁止の徹底について
@.駅周辺以外(スーパー周辺等)の場所での喫煙率の実態はどうなっているか。駅から離れた場所での調査も行なうべき。
A.青色パトロールや街宣アナウンスカーでの周知活動を行なうべきではないか。

A家庭ごみの収集について
@.ルール違反者、不法投棄者への対応
A.家庭の現場でゴミを分別しやすい容器や袋の開発を行なえば良いのではないか。

4日目 

−農業費−


@立川農業の流通販路の拡大にどう取り組むか。
A市内のスーパー等への流通チャネルを拡大し、もっと立川産野菜の販売店舗を増やすべきではないか。
B販路が拡大出来ない個別の要因をもっと聞いて対策を講ずべきではないか。

−商工費−

@これまでの中心市街地活性化基本計画策定調査の結果何が見えてきたか。
A類似都市の柏市、川越市、そして八王子市が国の認定を取りに行く事についてどう思うか。
B大型百貨店の来客をもっと回りの商店街や飲食店に向かわせる施策=観光案内所の機能拡充,商店街回遊マップの作成等を推進すべき。

−消防費−

@地域防災計画・・・職員の初動体制について
職員の初動体制はどうなっているか。地域では行政職員の誰がどこに来て何をしてくれるのかが明らかになっていないのではないか。

−土木費−

@南口の区画整理事業
@.駅前のラーメン店が退かない件について、現状まちづくりにどんな弊害があるか
A.民間同士の折衝なので、周辺住民からは状況が全くわからない。当事者交渉を市が間接的に側面支援する方法はないか。

5日目 −特別会計−

@国民健康保険事業
≪脳ドッグの周知について≫
特定健康診査・特定保健事業について市民に周知しているが、人間ドッグや脳ドッグも大きい見出しで同時にお知らせし、最初から選択できるような案内をすべきではないか。


平成22年 決算特別委員会 

議案第65号 立川市一般会計歳入歳出決算 賛成討論


私は公明党を代表し、議案第65号平成21年度立川市一般会計予算歳入歳出決算に認定の立場で討論をさせていただきます。

 リーマンショックに端を発した世界同時不況に国内全体が覆われた中、本市におきましても地域経済が大きく打撃を受け、平成21年度は市税収入においては個人市民税が2.2%、法人市民税が22.6%と其々前年より大きく落ち込み、合計161千万円もの減収という6年振りの事態の中での厳しい予算編成となりました。さらには景気の凋落と雇用情勢の悪化から、生活保護費等の急増により逼迫した財政の中、健全で強固な財政基盤を受け継いでいくための改革の姿勢が強く示された予算でありました。また平成21年度は新庁舎の建設、そして5年間に渡る経営改革プランの最終年度、さらには第3次基本計画の策定に当たっての前年度でもあり、まさに清水市政としても激動の1年ではなかったかと思います。

 清水市長が掲げる「生活・重視のまちづくり」の基本理念のもと、重点事項として行財政改革、環境・まちづくり、教育・子育て、安全・福祉の4つを主要テーマとしての取り組みが示されました。行政経費の無駄を省き、適材適所で筋肉質な成果重視の行政システムの構築を目指し、たゆまぬ努力を続けることは勿論でありますが、最高の市民サービスの提供を目指し、徹底した行財政改革と共に、環境・まちづくり・子育て・福祉に焦点を当て、財政投下をした市の姿勢は大いに評価するものでありました。

最重要課題として掲げたごみ減量とリサイクルの推進において、燃えるごみ50%削減の目標、そのための市民に対する紙ごみ再資源化の啓発はまさに低炭素社会への対応を行政主導で市民に強く呼びかけた取り組みでありました。また太陽光発電システム設置助成をはじめとした環境対策、さらには多くの利用者からの請願を受け入れ新たにスタートした市民農園事業等市民生活に潤いを与える施策が実行されました。

 まちづくり施策においては旧庁舎跡地活用計画及び周辺地域のグランドデザインの策定、新庁舎周辺のまちづくり、西武立川駅北口開設等に向けた取組みが進められ、第一小学校の建替え計画においては、地域学習館の併設も予定され、本市のまちづくりは市民参加の手法が十分に生かされとものと思っております。また放置自転車対策として立川駅南口で2か所の立体タワー式駐輪場整備に着手したこと、及び立川駅周辺の環境改善のためにスタートした警察と一体となった地域パトロール等安全・安心への推進事業はこれからも粘り強い継続作業が必要であります。

教育・子育てについては、認定子ども園の開設や家庭福祉員の拡充、民間保育園3園の建替え助成等により126人の待機児童の受け入れ枠を拡大し、保育園及び学童の待機児童解消に向けての取組みを加速させました。学校教育においては小中学校9校の耐震補強工事を進め、旧錦児童館を改修しての第7小学校への特別支援教室及びヘルプデスクの設置等が進み充実が図られました。

高齢者への生活支援として認知症予防事業がスタートし、緊急通報システムや火災警報器等の設置助成も我々公明党の主張により、日中独居高齢者にまで対象が広がったことは大いに評価すべきだと考えます。

財務体質については経常収支比率は若干増の95.8%となったものの、実質収支比率は標準を上回る6.0%を確保し、市の債務残高も債務負担行為の支出を大きく減らし、前年度より108億円減額致しました。黒字経営であるがゆえに、本委員会では市民福祉に役立つ施策の拡充が多くの委員からも求められてきたわけであります。このような財務体質の強化に努めてきたことは大いに評価するものであります。しかしながら654億円と依然高い水準にあり、不断の行財政改革を推し進めて頂きたいと思います。

少子高齢化・人口減少社会に向け、独り暮らしの高齢者対策、地域包括支援センターを活用した地域福祉のしくみづくりや、自治会を中心とした地域の連帯感の醸成そして防災対策等、市民がお互いに支え合い安心して暮らせる地域を作っていくためには、まだまだ不断の努力が必要であります。

高齢者をはじめ、若い世代が夢と希望を持って立川で暮らし、子どもを楽しく産み育てられるまちを作る責務が我々行政と議会にはあると思います。本委員会で審議された市政全般に渡る要望や意見をぜひともお汲みとり頂き、最大の成果と市民満足度の獲得を目指し、常に市民の生活目線に立った施策の実行をお願い申し上げ、認定の討論と致します。


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平成21年 予算特別委員会報告


平成21年 予算特別委員会において下記の通り質疑と提案を行ないました。

1日目 −各款共通及び歳入全般

@組織改正について
新年度の業務拡大に伴い、環境ごみ対策、都市整備、福祉保健の3つの部局で担当部長を増やし、課も5つ新設する。緊急の課題にきめ細かく対応するということであるが、安易にポストを増やすのではなく、あくまでも既存の組織での人員活用で対応すべきではないか。
【答弁】
@.業務拡大に既存の組織では対応できない。そのための緊急対応である。
A.行財政改革は止めない
※公明党は提出された組織改正条例に反対しました。

A企業誘致
将来に向けての税収確保と都市ブランド向上のため、積極的な企業誘致に取り組むべきである。
(企業訪問活動と物件情報の提供)

B介護人材の育成
不況による失業者の介護職へのシフトを促す職業訓練や介護ヘルパーの資格取得への支援を。


2日目 −総務費−

@人事考課
目標管理をベースに能力・実績主義による最高の市民満足度の達成を指標とした評定をすること。

A税教育
子どもたちへの税教育のため、「行財政白書」に行政サービスを賄う「税」の役割の解説を掲載すること。

B現庁舎敷地周辺地域グランドデザイン策定
1.市庁舎移転後すぐに文化・芸術イベント広場が整備できるよう、旧庁舎を即刻解体すること。
2.策定されるグランドデザインが、具体的導入機能を示す「地区計画」となって反映されること。

C南口の環境改善
新たに発足する住民参加の市民意見交換会で、「環境浄化宣言」を打ち出し、名うぇあく行為迷惑行為や違法行為を一切寄せ付けないまちのルールづくりを行なうこと。


3日目 −民生費−

@認知症予防事業
チェックシートで自己判断する認知症予防事業が新年度からスタートするが、それをさらに発展させた、誰もが平易に参加できる認知症健診事業の実施。

A学童の待機児対策
母子等親の仕事の関係で養育環境が厳しい家庭に対する受入れ枠の拡大・弾力化

B生活保護施策
就労率をより高めるため、ハローワークの就労支援員の増加を図ること。


4日目 −衛生費・商工費・土木費−


@喫煙制限条例の周知徹底
立川駅周辺以外の場所では相変わらず歩行喫煙、ポイ捨てが横行している。もっと市民全体に周知が図れるよう庁用車の青色パトロール等で街宣アナウンス活動を行なうべき。

A地域猫対策
行政が介入し、餌やりのルールを作り、猫との共生を望む市民と制限したい市民との融和を図ること

B住宅政策
若い子育てファミリー世帯及び高齢者向けの一括借り上げ型市営住宅の建設。

C中心市街地活性化基本計画
国の認定を前提とした中心市街地への求心力が発揮できる計画作りと、南口周辺の回遊性向上のための歩道拡幅や広場等の環境整備。


5日目 −教育費・特別会計−

@特別支援教育
専門指導員や通級学級と普通学級との十分な連携と、保護者に対する心のケアやサポート体制づくり

A人権教育の充実
これまでの成果は?
【答弁】
子どもたちが「他人を大切にする心」を自分の言葉・行動で考えるようになったこと。
自分が好きになった、という子が増えたこと。

B地域居場所づくり事業
放課後子ども教室との融合

C介護予防事業
健康体操の回数増加と運動実践指導員の増強



平成21年 予算特別委員会 

議案第2号 立川市一般会計予算 賛成討論


 私は議案第2号 平成21年度立川市一般会計予算に対し、賛成の立場で討論致します。

 昨年末からのアメリカ発の金融不安に端を発した未曽有の経済危機により、我が国の実態経済が大きく減退する中、平成21年度立川市一般会計予算が組まれました。立川市も企業収益の凋落を受け、法人税が9.8億円、16.7%という大幅な減額となる影響で、市税全体の収入が20年度と比べ5.9億円、1.6%減となる等近年にない大きな落ち込みとなり、ゼロベースでの事業及び施策の見直しが必須となっております。

 しかしそのような中、新年度の一般会計予算は、前年度比27億円、4.3%増の655億円となりました。これは新庁舎の建設予算が上積みされた影響でありますが、実際の中身は地方譲与税や地方消費税交付金を始めとした各種交付金等、国税からの配分は景気や株価の低迷の影響から大きく減額され、国庫支出金や都支出金は前年度と比べ若干は増えたものの、繰入金となる基金の活用や市債の発行により財政規模の維持を図っており、今後の財政運営については予断を許さない状況にあると言えます。

 特に重点的に財政を投下する都市づくり事業については、新庁舎建設に充てる特定目的基金と起債により収支の均衡を図ったものであり、資金運用面での評価はできますが、今後の財政健全化に向けての大きな不安要素となっております。少子高齢社会で、本市も高齢化率が20%となる中、担税人口が減少し、年金・介護・医療等社会保障や公的サービスの受給者が増え続け、ますます財政は厳しさを増して参ります。高齢者を始め、若い世代が夢と希望を持って立川で暮らし、子どもを楽しく生み育てられる社会を作っていかなければならない使命が我々にはあります。と同時に市民の生活を守り、限られた財源を最大限に有効活用し、最大の成果と市民満足度の向上を図る行政の至上命題を実現すべく予算編成であるべきと考えます。

 平成21年度の予算案は、清水市長が掲げる「生活重視のまちづくり」の基本理念のもと、重点事項として行財政改革、環境まちづくり、教育・子育て、安全・福祉の4つを主要テーマとして中心的に取り組むとしています。行政経費の無駄を省き、適材適所で筋肉質な行政システムの構築を目指し、たゆまぬ努力を続けることは勿論でありますが、新年度は特に環境・まちづくりに焦点を当て財政投下をする市の姿勢は大きく評価したいと思っております。本市は多摩の業務核都市として、また交通の結節点として、土地とロケーションに有利な環境を生かし、いち早く都市基盤整備を急ぐべきであります。そして立川の都市ブランドの価値を高める為、企業誘致に積極的に取り組み、税収増加による財源確保に励んでいただきたい。職員自らが企業に出向き積極的に営業をしていただきたいと思っております。

 予算案を見ますと現庁舎施設の暫定活用検討委員会のスタートを始め、敷地周辺知地域のグランドデザイン策定にいよいよ踏み出す他、南口58街区の活用検討委員会、立体駐車場の整備等の積極的な事業展開は誠に時宜を得た施策として大いに評価致します。特に現庁舎敷地の再開発は、北口都市軸沿道地域の国有地の開発と対比し、南口を絶対に衰退させてはならないという不退転の決意で臨んでいただきたい。そして市民の意見を最大限取り入れ、賑わい創出機能導入のための具体的な地区計画の作成まで漕ぎつけていただきたい。中心市街地活性化基本計画は駅周辺商業集積型の立川の特性を生かし、商店街と地元ベンチャー企業との産業活性化に向けたシナリオ作りと、回遊性向上に向けた歩道整備やふれあいの場づくりを提案し、具体的な事業計画案による国の認定を勝ち取れるよう進めていくべきであります。

 また環境面では太陽光発電システム設置助成事業や環境配慮型事業所支援等CO2の削減と経費節減に努力する市民を奨励する取組には期待を致します。

 行財政改革については、市民への行財政情報の提供面で、中学生に対しての税教育を進める点から、市の公共サービスの財源となっている「税」についての理解を深めていただくよう「行財政白書」に税の役割の解説を掲載し、税を払ってこそ初めて公共サービスが受けられるという基本原則を再度大人も含めた市民への周知に努めていただきたい。唯一税こそが公共サービスを賄うものであり、高い福祉を望むのであればそれなりの負担が必要で、中福祉中負担という今の日本の社会の仕組みの基本認識に立ってこそ、初めて財政への真の理解が進むものと信じます。

人事考課については、能力、業績、意欲・態度の3本柱による評定を引き続き行ない、目標管理をベースに行政評価の達成度も評価対象に組み入れ、最高の市民満足度の実現を指標としたシステムを確立していただきたい。

南口の環境改善については、市の重大な懸案であると認識しています。平穏な商業地域がいつの間にか違法営業の無法地帯となってしまった現状は、健康都市立川として何としても改善していかなければならないわけであります。21年度からの罰則強化と地域住民や警察他関係者との市民意見交換会の開催により、忌憚のない話し合いが行なわれ、「環境浄化宣言」を制定し、違法営業や迷惑行為を締め出すルール作りを行なうよう提案して参ります。

福祉・保健政策では、膨大化する民生費について、生活保護受給者が就労により自立できる支援体制を一層強化し、勤労による福祉の確立に全力を傾けていただきたい。また新たに認知症予防事業をスタートさせることについては市民にとっても大変に喜ばしいことであります。高齢で家族介護に悩む方々が平易に参加できる体制を早急に組み、介護予防事業への市民も積極的参加を促していくべきです。また地域相談協力員の更なる育成に励み、声かけ、見守り並びにお手伝いの支援による地域支え合いネットワーク事業の充実に取り組んでいただきたい。

また一向に進まない住宅政策は、若いファミリー子育て世帯や高齢者にとって厳しい現実となっております。再三提案している一括借り上げ型市営住宅の整備を、民間の事業者との協力を募り、国の地域優良賃貸住宅制度を利用し、100戸を目標に進めていただきたい。

教育については、新学習指導要領への対応と、立川の特長である人権教育を引き続き推進していただき、他人の大切さを理解できる豊かな人格形成を目指した子どもの教育に邁進していただきたい。また立川市独自のカリキュラムを検討する教員同士の研修の場である教育センターの設置を進めていただきたい。

今後の業務拡大に伴い、都市整備、環境ゴミ対策、福祉保健担当部局での新たな政策課題にきめ細かく対応していくという名目で組織改正が行なわれました。市民生活に直結した身近な政策課題に、行政自らが自助能力を発揮し、政策実現を目指すという趣旨であると認識しています。しかしその背景を聞くと、現行の組織では今後行われる新たな3部局の事業への対応ができないということや、管理職の資格を持つ職員が、部長職が動かないために昇任できず、ポストを増やし横に広げるということがありました。上が動かないのでポストを増やすというのは、国家公務員の早期勧奨退職制度と同じで、民間のような競争をさせずに簡単にポストを与えるということで、職員を擁護することと言えるのではないでしょうか。今回の組織改正はあくまでも緊急措置ということで、課題克服後は元に戻すということですが、一度出来上がってしまった組織は人事の問題もあり削れなくなると思います。民間は明日さえどうなるかわからないという死ぬか生きるかの過酷な競争を強いられています。私は上のポストが詰まっていようと安易にポストを増やすのではなく、正当な競争を以て昇任させるべきだと思います。新たなポストを増やし給与を増やすのではなく、もっと組織の中での人員を有効活用し、仮に勤務評定が低い人がいたとしても、この難局を乗り越えるべく職員総がかりで課題に立ち向かっていくというのが正しい道筋ではないでしょうか。行財政改革に逆行するような安易な組織改正を行うのではなく、現行体制での緊急対応を考えるべきだと私は主張したい。

最後に昨今の雇用情勢の悪化の中で、直ちに実行しなければならないと思われる雇用創出について意見を述べます。景気悪化により雇用打ち切りにあった非正規労働者の方々が職を失い生活に苦しんでいます。国では雇用ニューディール政策を打ち出し、職を失った人の雇用の受け皿として介護職へのシフトを呼びかけ、介護ヘルパーや介護福祉士の資格取得と職業訓練への公費での支援を表明しています。高齢社会を迎えている中で、介護の担い手は毎年10万人近く増やさなければならず、高齢者一人を現役世代2人で支えていかなければならない2025年には250万人必要と言われています。私は介護の仕事はこれからの時代の花形産業になると考えております。立川市が独自に介護人材を育成し、施設の整備も含め、介護職員が不足しサービスが行き届かなくなるということがないよう、単なる失職者の受け皿というだけでなく、もっと積極的に介護人材の確保に努め、介護産業が盛んで高齢者が安心して住む続けられる立川市にしていくべきであります。国では今回の第2次補正予算に4,000億円の緊急雇用創出事業が計上されました。現在検討されている医療・介護分野に関するハローワークの職業相談窓口の創設や、介護や看護の職業訓練と働く場の一体的提供による研修付き雇用体系事業の実施や、離職者等を職業訓練後に介護職として受け入れた事業所への助成金支給等、介護分野の人材確保のための戦略的雇用創出を行ない、仕事をしながら介護ヘルパーや介護福祉士の資格取得ができる支援策を展開していただきたい。

以上申し述べた点を要望し、賛成の討論とさせていただきます。


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