平成21年 予算特別委員会において下記の通り質疑と提案を行ないました。 |
1日目 −各款共通及び歳入全般
@組織改正について
新年度の業務拡大に伴い、環境ごみ対策、都市整備、福祉保健の3つの部局で担当部長を増やし、課も5つ新設する。緊急の課題にきめ細かく対応するということであるが、安易にポストを増やすのではなく、あくまでも既存の組織での人員活用で対応すべきではないか。
【答弁】
@.業務拡大に既存の組織では対応できない。そのための緊急対応である。
A.行財政改革は止めない
※公明党は提出された組織改正条例に反対しました。
A企業誘致
将来に向けての税収確保と都市ブランド向上のため、積極的な企業誘致に取り組むべきである。
(企業訪問活動と物件情報の提供)
B介護人材の育成
不況による失業者の介護職へのシフトを促す職業訓練や介護ヘルパーの資格取得への支援を。
2日目 −総務費−
@人事考課
目標管理をベースに能力・実績主義による最高の市民満足度の達成を指標とした評定をすること。
A税教育
子どもたちへの税教育のため、「行財政白書」に行政サービスを賄う「税」の役割の解説を掲載すること。
B現庁舎敷地周辺地域グランドデザイン策定
1.市庁舎移転後すぐに文化・芸術イベント広場が整備できるよう、旧庁舎を即刻解体すること。
2.策定されるグランドデザインが、具体的導入機能を示す「地区計画」となって反映されること。
C南口の環境改善
新たに発足する住民参加の市民意見交換会で、「環境浄化宣言」を打ち出し、名うぇあく行為迷惑行為や違法行為を一切寄せ付けないまちのルールづくりを行なうこと。
3日目 −民生費−
@認知症予防事業
チェックシートで自己判断する認知症予防事業が新年度からスタートするが、それをさらに発展させた、誰もが平易に参加できる認知症健診事業の実施。
A学童の待機児対策
母子等親の仕事の関係で養育環境が厳しい家庭に対する受入れ枠の拡大・弾力化
B生活保護施策
就労率をより高めるため、ハローワークの就労支援員の増加を図ること。
4日目 −衛生費・商工費・土木費−
@喫煙制限条例の周知徹底
立川駅周辺以外の場所では相変わらず歩行喫煙、ポイ捨てが横行している。もっと市民全体に周知が図れるよう庁用車の青色パトロール等で街宣アナウンス活動を行なうべき。
A地域猫対策
行政が介入し、餌やりのルールを作り、猫との共生を望む市民と制限したい市民との融和を図ること
B住宅政策
若い子育てファミリー世帯及び高齢者向けの一括借り上げ型市営住宅の建設。
C中心市街地活性化基本計画
国の認定を前提とした中心市街地への求心力が発揮できる計画作りと、南口周辺の回遊性向上のための歩道拡幅や広場等の環境整備。
5日目 −教育費・特別会計−
@特別支援教育
専門指導員や通級学級と普通学級との十分な連携と、保護者に対する心のケアやサポート体制づくり
A人権教育の充実
これまでの成果は?
【答弁】
子どもたちが「他人を大切にする心」を自分の言葉・行動で考えるようになったこと。
自分が好きになった、という子が増えたこと。
B地域居場所づくり事業
放課後子ども教室との融合
C介護予防事業
健康体操の回数増加と運動実践指導員の増強
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平成21年 予算特別委員会
議案第2号 立川市一般会計予算 賛成討論
私は議案第2号 平成21年度立川市一般会計予算に対し、賛成の立場で討論致します。
昨年末からのアメリカ発の金融不安に端を発した未曽有の経済危機により、我が国の実態経済が大きく減退する中、平成21年度立川市一般会計予算が組まれました。立川市も企業収益の凋落を受け、法人税が9.8億円、16.7%という大幅な減額となる影響で、市税全体の収入が20年度と比べ5.9億円、1.6%減となる等近年にない大きな落ち込みとなり、ゼロベースでの事業及び施策の見直しが必須となっております。
しかしそのような中、新年度の一般会計予算は、前年度比27億円、4.3%増の655億円となりました。これは新庁舎の建設予算が上積みされた影響でありますが、実際の中身は地方譲与税や地方消費税交付金を始めとした各種交付金等、国税からの配分は景気や株価の低迷の影響から大きく減額され、国庫支出金や都支出金は前年度と比べ若干は増えたものの、繰入金となる基金の活用や市債の発行により財政規模の維持を図っており、今後の財政運営については予断を許さない状況にあると言えます。
特に重点的に財政を投下する都市づくり事業については、新庁舎建設に充てる特定目的基金と起債により収支の均衡を図ったものであり、資金運用面での評価はできますが、今後の財政健全化に向けての大きな不安要素となっております。少子高齢社会で、本市も高齢化率が20%となる中、担税人口が減少し、年金・介護・医療等社会保障や公的サービスの受給者が増え続け、ますます財政は厳しさを増して参ります。高齢者を始め、若い世代が夢と希望を持って立川で暮らし、子どもを楽しく生み育てられる社会を作っていかなければならない使命が我々にはあります。と同時に市民の生活を守り、限られた財源を最大限に有効活用し、最大の成果と市民満足度の向上を図る行政の至上命題を実現すべく予算編成であるべきと考えます。
平成21年度の予算案は、清水市長が掲げる「生活重視のまちづくり」の基本理念のもと、重点事項として行財政改革、環境まちづくり、教育・子育て、安全・福祉の4つを主要テーマとして中心的に取り組むとしています。行政経費の無駄を省き、適材適所で筋肉質な行政システムの構築を目指し、たゆまぬ努力を続けることは勿論でありますが、新年度は特に環境・まちづくりに焦点を当て財政投下をする市の姿勢は大きく評価したいと思っております。本市は多摩の業務核都市として、また交通の結節点として、土地とロケーションに有利な環境を生かし、いち早く都市基盤整備を急ぐべきであります。そして立川の都市ブランドの価値を高める為、企業誘致に積極的に取り組み、税収増加による財源確保に励んでいただきたい。職員自らが企業に出向き積極的に営業をしていただきたいと思っております。
予算案を見ますと現庁舎施設の暫定活用検討委員会のスタートを始め、敷地周辺知地域のグランドデザイン策定にいよいよ踏み出す他、南口58街区の活用検討委員会、立体駐車場の整備等の積極的な事業展開は誠に時宜を得た施策として大いに評価致します。特に現庁舎敷地の再開発は、北口都市軸沿道地域の国有地の開発と対比し、南口を絶対に衰退させてはならないという不退転の決意で臨んでいただきたい。そして市民の意見を最大限取り入れ、賑わい創出機能導入のための具体的な地区計画の作成まで漕ぎつけていただきたい。中心市街地活性化基本計画は駅周辺商業集積型の立川の特性を生かし、商店街と地元ベンチャー企業との産業活性化に向けたシナリオ作りと、回遊性向上に向けた歩道整備やふれあいの場づくりを提案し、具体的な事業計画案による国の認定を勝ち取れるよう進めていくべきであります。
また環境面では太陽光発電システム設置助成事業や環境配慮型事業所支援等CO2の削減と経費節減に努力する市民を奨励する取組には期待を致します。
行財政改革については、市民への行財政情報の提供面で、中学生に対しての税教育を進める点から、市の公共サービスの財源となっている「税」についての理解を深めていただくよう「行財政白書」に税の役割の解説を掲載し、税を払ってこそ初めて公共サービスが受けられるという基本原則を再度大人も含めた市民への周知に努めていただきたい。唯一税こそが公共サービスを賄うものであり、高い福祉を望むのであればそれなりの負担が必要で、中福祉中負担という今の日本の社会の仕組みの基本認識に立ってこそ、初めて財政への真の理解が進むものと信じます。
人事考課については、能力、業績、意欲・態度の3本柱による評定を引き続き行ない、目標管理をベースに行政評価の達成度も評価対象に組み入れ、最高の市民満足度の実現を指標としたシステムを確立していただきたい。
南口の環境改善については、市の重大な懸案であると認識しています。平穏な商業地域がいつの間にか違法営業の無法地帯となってしまった現状は、健康都市立川として何としても改善していかなければならないわけであります。21年度からの罰則強化と地域住民や警察他関係者との市民意見交換会の開催により、忌憚のない話し合いが行なわれ、「環境浄化宣言」を制定し、違法営業や迷惑行為を締め出すルール作りを行なうよう提案して参ります。
福祉・保健政策では、膨大化する民生費について、生活保護受給者が就労により自立できる支援体制を一層強化し、勤労による福祉の確立に全力を傾けていただきたい。また新たに認知症予防事業をスタートさせることについては市民にとっても大変に喜ばしいことであります。高齢で家族介護に悩む方々が平易に参加できる体制を早急に組み、介護予防事業への市民も積極的参加を促していくべきです。また地域相談協力員の更なる育成に励み、声かけ、見守り並びにお手伝いの支援による地域支え合いネットワーク事業の充実に取り組んでいただきたい。
また一向に進まない住宅政策は、若いファミリー子育て世帯や高齢者にとって厳しい現実となっております。再三提案している一括借り上げ型市営住宅の整備を、民間の事業者との協力を募り、国の地域優良賃貸住宅制度を利用し、100戸を目標に進めていただきたい。
教育については、新学習指導要領への対応と、立川の特長である人権教育を引き続き推進していただき、他人の大切さを理解できる豊かな人格形成を目指した子どもの教育に邁進していただきたい。また立川市独自のカリキュラムを検討する教員同士の研修の場である教育センターの設置を進めていただきたい。
今後の業務拡大に伴い、都市整備、環境ゴミ対策、福祉保健担当部局での新たな政策課題にきめ細かく対応していくという名目で組織改正が行なわれました。市民生活に直結した身近な政策課題に、行政自らが自助能力を発揮し、政策実現を目指すという趣旨であると認識しています。しかしその背景を聞くと、現行の組織では今後行われる新たな3部局の事業への対応ができないということや、管理職の資格を持つ職員が、部長職が動かないために昇任できず、ポストを増やし横に広げるということがありました。上が動かないのでポストを増やすというのは、国家公務員の早期勧奨退職制度と同じで、民間のような競争をさせずに簡単にポストを与えるということで、職員を擁護することと言えるのではないでしょうか。今回の組織改正はあくまでも緊急措置ということで、課題克服後は元に戻すということですが、一度出来上がってしまった組織は人事の問題もあり削れなくなると思います。民間は明日さえどうなるかわからないという死ぬか生きるかの過酷な競争を強いられています。私は上のポストが詰まっていようと安易にポストを増やすのではなく、正当な競争を以て昇任させるべきだと思います。新たなポストを増やし給与を増やすのではなく、もっと組織の中での人員を有効活用し、仮に勤務評定が低い人がいたとしても、この難局を乗り越えるべく職員総がかりで課題に立ち向かっていくというのが正しい道筋ではないでしょうか。行財政改革に逆行するような安易な組織改正を行うのではなく、現行体制での緊急対応を考えるべきだと私は主張したい。
最後に昨今の雇用情勢の悪化の中で、直ちに実行しなければならないと思われる雇用創出について意見を述べます。景気悪化により雇用打ち切りにあった非正規労働者の方々が職を失い生活に苦しんでいます。国では雇用ニューディール政策を打ち出し、職を失った人の雇用の受け皿として介護職へのシフトを呼びかけ、介護ヘルパーや介護福祉士の資格取得と職業訓練への公費での支援を表明しています。高齢社会を迎えている中で、介護の担い手は毎年10万人近く増やさなければならず、高齢者一人を現役世代2人で支えていかなければならない2025年には250万人必要と言われています。私は介護の仕事はこれからの時代の花形産業になると考えております。立川市が独自に介護人材を育成し、施設の整備も含め、介護職員が不足しサービスが行き届かなくなるということがないよう、単なる失職者の受け皿というだけでなく、もっと積極的に介護人材の確保に努め、介護産業が盛んで高齢者が安心して住む続けられる立川市にしていくべきであります。国では今回の第2次補正予算に4,000億円の緊急雇用創出事業が計上されました。現在検討されている医療・介護分野に関するハローワークの職業相談窓口の創設や、介護や看護の職業訓練と働く場の一体的提供による研修付き雇用体系事業の実施や、離職者等を職業訓練後に介護職として受け入れた事業所への助成金支給等、介護分野の人材確保のための戦略的雇用創出を行ない、仕事をしながら介護ヘルパーや介護福祉士の資格取得ができる支援策を展開していただきたい。
以上申し述べた点を要望し、賛成の討論とさせていただきます。
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