立川市はこれから駅北口の都市軸沿道の国有地が売却され、民間の大型商業施設が進出してくる予定です。現在大型家具店イケアとショッピングセンターららぽーとの進出が決定し、其々平成26年春と27年春のオープンが予定されています。それに伴い車での来客が増えることが予測され、市では現在商工会議所を中心に渋滞対策と新たに増える来街者をどう取り込んで売上増を図り、共存共栄していくかが最大の課題となっています。特に南口商店街は多摩周辺都市から多くの買回り品(ファッション衣料,趣味アクセサリー,耐久消費財等)購買客が専門店を目がけて駅ビルや大型百貨店を訪れているのとは裏腹に、それら来訪客から分断され、個店に全くお客を取り込めていないのが現状です。昔からの特徴である個店の集積体としての賑わいはなく、休日の昼間も夜間も回遊客がほとんどいない状況です。商店街事業者の方々もイベント等を企画し一生懸命努力していますが、残念ながら恒常的な集客には繋がっていません。いくつか存在する老舗の飲食店や物販店もおそらく売り上げは現状維持が精一杯で来客増とはなっていないと思います。つまりこのまま従来路線のままで日々を重ねても南口は何も変わらず衰退の傾向に向うのみだと思います。それは何故でしょうか。それは大型百貨店並びに駅ビルというまちのカラーはあるものの、本当の意味でのまちに根付いた「売り」や「キャッチ」がないからだと思います。「立川」と言えば「何」と言えるでしょうか。立川の文化は何だと言えるのでしょうか。もちろん伝統を受け継いだ地域の貴重な芸能や文化は立川にはいくつもあります。手作りで毎日修養を積み重ねた人々を感動させる地域資産は沢山あり私も承知しています。それらを引き継いでくださっている多くの皆様には心底敬意を表したいと思います。しかし残念ながら人々を惹きつけるまちのイメージにはなっていません。そのために立川には文化の香りがないと言われ、立川は大型百貨店だけのまちと言われているのです。私はまちが活気に溢れれば人々の心が潤い、子育て世代の人たちも高齢者も人との触れ合いを求めまちに繰り出し元気になり、前向きに生きていくことができると思います。商店街振興は自助努力に任せるしかないという方も一つのセオリーとして認めてもいいと思いますが、私はやり方と商業者や行政の意識と取り組み方次第で大きく変貌できると思っております。繰り返しますが立川には幸い駅ビルや大型百貨店が充実しているため、特に買回り品のニーズが高く、過日行った商業実態調査においても今後イケアやららぽーとができてもファッションや衣料等買回り品の購買客は駅周辺の商業施設に残ると言われています。現在立川には都内や全国主要都市の一等地にしか出店しない有名専門店がどんどん出店してきています。それからもう一つ忘れてはならないことは立川駅周辺には美容室がとても多いということです。これは駅周辺商店街にとって大きな資産です。今のこのトレンドを行政も駅周辺の商店街もキャッチしなければならないと思います。南口まちづくり協議会では意識或る多くのビルオーナー兼事業者が商店街の回遊客を如何に増やそうかと常に意見を酌み交わしています。その結果南口の現在の売りは「飲食・食文化」であるという共通認識は確立しています。但しそれはだけではどうしても夜間中心となってしまい日中の賑わいは生み出せません。南口には人々が回遊する拠点としてまんがぱーく(子ども未来センター)と元バスロータリー跡地で現在駐輪場となっている58街区、そして諏訪神社に繋がる柴崎学習館と東・中・西に渡る3つの施設があります。ここに人が集まるための仕掛けを今後引き続き行っていく訳ですが、これらの商店街関連施設そして北口では現在イベント用地として利用されているモノレール下の都市軸沿道を利用して、先ほど挙げたファッション関連の専門店や活気のある美容室の協力を募り、多くの若者を集えるイベントを開催しその集客が再び専門店や商店街に流れるという経済効果を生み出していく仕掛けをすべきだと思います。具体的には現在国の経済成長戦略で行われているクールジャパン戦略の一環を担う原宿を中心としたポップカルチャーやファッション文化をここ立川から発信させようと思っています。特に今世界各国の主要都市を中心に原宿のKawaii(かわいい)文化が注目を浴びています。世界中の若者に自分自身を自由に表現できる原宿のKawaii(かわいい)ファッションが人気を集めています。これら日本のソフト産業を海外展開していくクールジャパンの一翼を担う若者に支持された新しいファッションのコンテンツを武器に立川を売り出すべきだと思います。これには十分な勝算があります。現実に今多くの若者がファッション専門店に衣料や趣味用品を買いに来ていること、そして南北のモノレール等の公共交通により立川周辺の大学や特に美術大生の集客も見込めるということです。このKawaiiプロジェクトをはじめとした原宿のポップカルチャーを立川に根付かせることで多くの若者が立川に集まるものと思います。そしてその上でポップカルチャー関連商品を扱うお店や駅に出店する専門店やファッション衣料の物販店が路面に下りてくること、これにはビルオーナーの合意形成や不動産会社の営業戦略が必要です。そうやって目玉となるような個店及び専門店が商店街面に何店舗かオープンすれば根強いファン層となったお客が商店街を回遊し、個店にお客を呼ぶ流れが出来上がるのではないかと思います。現実に今南口にも特徴を持った専門店が路面に出店し始めています。中には以前駅ビルに店を出していた店舗もあります。私はその兆候を行政や商店街がきちんとキャッチし、現在ある空き店舗にチャレンジショップを誘致したり、新たに出店する若手創業者のための家賃や出店費用を補助する制度等の施策を実行すれば、まちの活気は一気に高まると思います。とにかくイケアやららぽーとが間もなく出店を控えているこの時期に本来の共存共栄を目指している商店街及び行政が何も仕掛けなければ立川は何も変わりせん。今こそ立川の「売り」を創出し発信する時だと思います。言うは易しとは言いますがこのことを本気になって行政並びに商業者の皆様にも呼びかけ実現したいと思います。
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